普段人様の投稿に反応することはないのですが、「八王子のラーメン屋さんWiki」で気になる投稿を見かけたので、私なりにちょっと意見を。
以下、「八王子のラーメン屋さんWiki」より引用。
独り言
ラーメンてさ、五百円とかで食べられるものじゃなくなった？
どうなんだろね・・・八百円とか千円超えるとか随分偉くなったよね。
贅沢で高価な材料を使って無化調とかいらんよ。
ラーメンを作り手の我儘で勝手に芸術にしないでよ。
それを褒め煽てるお金持ちやオタクも消えてしまえ。
早い安い旨いの八王子ラーメンの原点に戻って欲しい。
他のジャンルのラーメンもね。博多ラーメンも五百円以下だったろ。
今現在のラーメン達は他の食事に比べて高過ぎる。
ささっとラーメンで済まそうかっていう次元じゃないよね。
美味くなきゃダメだけどそんなに本気にさせるなよ。 -- 名無しさん (2021-08-26 01:58:06)
投稿のタイミングや内容からいって、おそらくは「鴨中華そば 楓」を念頭にした内容だと思いますし、おそらくは私のブログも見て下さって居る方なのかなと思いましたので、敢えて意見を書かせて頂きます。
奇しくも昨日「鴨中華蕎麦 楓」に食べに行った際に、大将がたまたまお店にいらっしゃったので、この話になりました。
（私が一方的に話しただけですけど）
「八王子は土地柄、価格にシビアな人が多いので、価格だけで拒否反応を示す方が一定数居られますからね。」
「分かって下さる方だけ食べに来て頂ければ、それで良いです。」
「挑戦ですね。」
とまぁ、こんな感じの会話でした。
まず、こちらの方は５００円とか、安い価格に拘っておられますが、率直に言って今の時代に、５００円でラーメンを提供するのは厳しいと思います。
物価もどんどん上がってきていますし、人件費も上がって、いまや最低賃金（東京）は１,０１３円です。
実際、八王子ラーメンも値上がりして、５００円⇒６００円、５５０円⇒６５０円といった具合に値上がりしています。おそらく、今後も値段が上がっていくと思います。
要するに、いまやラーメンは５００円とかで食べれるものじゃなくなったと考えるのが正しい。時代は変わって、もはや昭和ではありませんから。
もっと言えば、５００円で提供しろというのは暴論に聞こえます。さながら、ラーメン屋は貧乏してでも、私達のために安く働け・・・と言わんばかりに！
”８００円とか１０００円超えるとか随分偉くなったよね。”
ラーメンが好きな方ならば、ラーメンの価値が上がっていくのであれば嬉しいことだと思いますが。
価格と内容が合っておらず、ただ単に価格が高いだけなら評価に値しませんが、このラーメンなら、ここまで払ってでも食べたい・・・というのであれば、単純にラーメンのステータスが上がることになるのでラーメンファンとしては喜ばしい事と思います。
それが一杯１万円とか、一般庶民には手の届かないような異常な価格ならばともかく、８００円とか１０００円超程度なら、むしろ妥当な価格だと思います。
”贅沢で高価な材料を使って無化調とかいらんよ。”
”ラーメンを作り手の我儘で勝手に芸術にしないでよ。”
この方の立場からすると面白くないのでしょうけど、これはラーメンの多様性に関わる問題かと思います。
何を隠そう、私がラーメンにハマったのも、ラーメンに多様性があったからです。ラーメンの素晴らしさであり面白さ、そのものと言っても良いです。
麺にスープに具と構成はとてもシンプルながら、出汁の採り方から、麺の配合、具材の一つ一つに至るまで、その組み合わせは無限大です。
こちらも単純に考えて、食べることが出来るラーメンの選択肢が増えることは喜ばしい事だと思います。
どんどん新しいものを生み出していって、それでラーメンファンが増えて、業界全体が盛り上がって行けば嬉しい話じゃないですか。
そして、新しいことに挑戦して価格に見合った（あるいはそれ以上に）良いものを創り上げたのであれば、それは正当に評価してあげるべきだとも考えます。
”値段が高い”からという理由だけで、否定してしまっては、誰も挑戦しなくなりますし進歩がありません。
この方の立場では、昔のままで・・・ということなのかもしれませんが、そうするといずれ時代に取り残されて、ラーメン文化自体が廃れていく事になるのではないでしょうか。
色んな多種多様なラーメンがあるおかげで、ラーメン業界が盛り上がり、ラーメン人口が増えて、多くのラーメン店の経営が成り立ち、昔ながらのラーメンも食べられる・・・。
そんなふうに前向きに解釈できれば、新しい事すべてを否定する必要もないかと思います。
そもそも、１０００円超のラーメン店や、無化調のラーメンがあるということで、”早い安い旨い”ラーメン店が無くなったでしょうか？
例えば、高齢化で閉めてしまう町中華などもありますが、”早い安い旨い”を体現する町中華は今でもたくさんあります。むしろ根強い人気といってもよい。
私も”早い安い旨い”お店は大好きですし、今は無くなってしまいましたが、八王子のソウルフードだった桜島のラージャンメンとか大好きでした。
５００円で食べられるけれど、具は”もやし”しか入っていませんでしたけどね。（笑）
普段使いは、”早い安い旨い”の八王子ラーメンや町中華。
給料日で懐が潤っているからワンランク上のラーメンを食べるとか、自分へのご褒美に高級志向のラーメンを食べるとか、色んな選択肢があっても良いんじゃないでしょうか。
あなたが、”早い安い旨い”ラーメンが食べたいように、ある人は、色んな理由で、色んな種類のラーメンを食べたいと思っていることも、頭の片隅に入れておいてあげても良いのにと思いました。
ちなみに、私の場合、警察官に追いかけられた後とかには、無性に激辛ラーメンが食べたくなります。
