「特製らぁめん」１０００円＠らぁめん山と樹【杉並区】

＜２０２０年２８５杯目＞

今日は長年の課題だった杉並区高円寺にあるラーメン店「らぁめん山と樹」に行って来ました。

なぜ課題だったのか・・・、それは八王子の名店「らーめん楓」出身の店主が切り盛りされているお店だからです。

ちなみに店主とは面識はありませんが、過去に「ラーメン楓」で一度だけお会いしたことがあります。

もうかれこれ４～５年ぐらい前になるでしょうか、いつものようにふらっと「らーめん楓」にラーメンを食べに行くと、今まで一度も見たことがなかった店員さんが一人、厨房でラーメンを作っておられました。

そうです。それが、今の「山と樹」の店主でした。

いつものようにラーメンの写真を撮ろうとすると、彼がジーっとこちらを見つめています・・・。

何となくバツが悪くて「写真を撮っても良いですか？」と聞くと、彼がおもむろに「条件があるんです。」と言うのです。

初対面なのに愛の告白でも始まってしまうのかとドキドキしたのを今でも鮮明に覚えています。（笑）

そして、彼は優しく微笑みながら次のように言ったのです・・・

「綺麗に写真を撮ってくださいね♪」と。

ちょっとくさいけど、なんて素敵な店員さんなのだろうと思って、一瞬で彼のファンになりました。

ただ、残念ながら、それ以来彼に会うことはありませんでした。

そんなわけなので、今日は内心ドキドキしながら「山と樹」に向かいました。

高円寺は八王子からだと結構遠いです。中央線で１時間ぐらいかかります。

閉店の時間が迫っていたので高円寺駅から走りました。でも３０ｍぐらい走るともうゼェゼェと息切れです。今だけは背負っている脂肪の鎧が本当に憎い！

しかも、不幸は続き途中で私の体重を支えられなくなったパンプスが壊れた。

そして生憎の雨・・・。

びしょ濡れになって半分泣きそうになりながら、何とか閉店間際のお店に到着しました。

お店に入ると、店主と店員さんの二人で切り盛りされていました。

券売機を確認して、今回は「特製らぁめん」１０００円を注文です。

卓上調味料は、唐辛子とコショウです。

しばらく待ってラーメンが運ばれてきました。

そこで私は思い切って、店主にあの言葉を投げかけてみました。

「写真を撮っても良いですか？」と。

大切に仕舞っておいた宝物を差し出すかのように・・・そっと。

「もちろんです。」（怪訝な表情）

・・・・あれ？（笑）

さーて、ラーメン、ラーメン♪

具は、チャーシュー、海苔、メンマ、ネギ、です。

チャーシューは２種類。表面を焼いたホロホロっとしたバラチャーシューと、大判ですが、こちらも肉質がとろける様に柔らかい肩ロースのチャーシューです。

とろけるような脂の甘みと凝縮した肉の旨味。

口に入れると、思わず体がブルブルっと震えた。旨かったのだ！

味玉は、割ると中の黄身がトローっと溢れ出す。

スープは鶏ガラをベースに昆布、かつお節、煮干しなどの乾物で深みを出しています。

どこか懐かしさを感じるような優しい味わい。まろやかな後味。とても穏やかな表情をしています。

単純そうに思えますが、一種の無垢さがあって、普通のラーメンの枠を超えています。とにかく絶品です。

麺は、北海道産小麦「春よ恋」だけを使った自家製の手もみ麺です。茹でる前に店主が丁寧に手もみをしてくれます。

加水率が高くチュルチュルっとしたのど越しが爽快です。この麺は本当に美味しい♪

それにしても、何だか座っている椅子が妙にぐらつきます・・・。

気になって下の方を見ようとしたらバランスを崩して椅子から転げ落ちて転倒・・・からの豪快なダイブ！

見たら椅子の足が３本しか付いてないではないか・・・クソが！

ハッと我に返って、この無様な姿を見られなかったかと店主の方を見ると、店主の険しい眼差しが私の方に鋭く突き刺さっていた。私の心の中で何かが音を立てて破裂した。

私がこのときに抱えた哀しみの深さには、誰の想像も及ばないであろう。

もうラーメンとかどうでもいいから早く帰りたい・・・。（泣）

でも、ここでおめおめと、あっさりと帰るわけには行きません。

最後にどうしても伝えたいことが一つだけあるのです。

今回紹介した「山と樹」の店主が、な、何と！八王子らーめん楓に来ます！

２０１７年ＴＲＹ新人賞を受賞した「山と樹」！まさに凱旋です！！

１２月４日（金）。ランチタイムだけだそうですが、「楓」１７周年記念イベントに参加されます。

私は失態を演じてしまったので、恥ずかし過ぎてもう会いに行けませんが、皆さんはぜひ伝説の「らーめん楓」前店長「山と樹」の店主に会いに行ってくださいね！

手もみ麺、圧巻です！！

そして私は、哀しみのうちに、こっそりと忍び足でお店を去った・・・。

満足度：★★★★☆（4.5）